夕食後、お風呂に入って部屋に戻ると、予想通りユーリ君が抱きついてきた。
キリカ「今日は抱きつきすぎじゃない?」
ユーリ「これでも足りないくらいだよ。」
キリカ「・・・・・・。」
可愛い・・・。何も言い返さず、ユーリ君の胸に身体を預けた。ちょっと離れていただけなのに、泣きそうな顔をして寂しがってくれる彼が好きだ。
ユーリ「キリカ・・・。」
名前を呼ぶ声はすでに息苦しそうで、引きつけられるように唇を重ねた。私もしたかった。ジンに無理やり連れてかれたといえど、ユーリ君が他の女の子と楽しそうに話してたんじゃないかと思うと、やきもちを焼かずにはいられない。
キリカ「今日は・・・話しただけ?」
ユーリ「ん?」
キリカ「ジンと行ったんでしょ?合コンに・・・。」
ユーリ「!?・・・もう絶対行かない!ジンさんがキリカのためだって言うから、僕は・・・。」
キリカ「!!?・・・。」
その言葉だけで、嫉妬心が安堵に変わる。私は彼が話すのを制すようにキスした。
ユーリ「!?・・・。」
キリカ「ユーリ、好きだよ。」
ユーリ「!!・・・。」
すると、いきなりユーリ君は私の身体を抱きかかえた。お姫様抱っこされてるみたい・・・というか、されてる・・・!?あまりにも突然のことで言葉が出ない。
ユーリ「続きはベッドでしよう?」
キリカ「!!・・・。」
恥ずかしくて、目をつぶりながら何度も頷くと、額にキスされた。突然どうしたの、ユーリ君・・・!!優しくベッドに寝かされると、彼も流れ込むように横になって、唇も自然と重なる。私も応えるように、彼の髪を撫でる。
ユーリ「はあ、んんっ・・・キリカ・・・!!」
ユーリ君は髪を撫でられると、息苦しそうにしながら夢中でキスをする。この声と仕草に何度理性を奪われたことか・・・。
ユーリ「キリカ・・・。」
気になることが頭をよぎったのか、ユーリ君は急に不安そうに名前を呼ぶ。
キリカ「ん?」
ユーリ「僕は・・・このままでいいと思う?」
キリカ「どうしたの、急に・・・。」
ユーリ「ジンさんに言われたんだ。16になるんだから、夫としてキリカの将来も考えていかないと・・・って。」
キリカ「!?・・・。」
今になってジンが何の心配をしているのか分かった。バルと違い、ルカでは10代後半から20代前半で出産することが多いらしい。さらに、ルカの女性は子供を授かりたいという意識が強いため、ジンは私も例外ではないと思ったのだろう。
キリカ「慌てなくてもいいと思う。」
ユーリ「え!?」
キリカ「私は今のままで十分幸せだし、ユーリの助けが欲しいときはちゃんと言うから。」
ユーリ「!!・・・キリカ!!」
嬉しそうに擦り寄ってくる彼に、私も応えるように髪を撫でた。もう少し・・・このままの関係でもいいかな?