07 将来

夕食後、お風呂に入って部屋に戻ると、予想通りユーリ君が抱きついてきた。

キリカ「今日は抱きつきすぎじゃない?」

ユーリ「これでも足りないくらいだよ。」

キリカ「・・・・・・。」

可愛い・・・。何も言い返さず、ユーリ君の胸に身体を預けた。ちょっと離れていただけなのに、泣きそうな顔をして寂しがってくれる彼が好きだ。

ユーリ「キリカ・・・。」

名前を呼ぶ声はすでに息苦しそうで、引きつけられるように唇を重ねた。私もしたかった。ジンに無理やり連れてかれたといえど、ユーリ君が他の女の子と楽しそうに話してたんじゃないかと思うと、やきもちを焼かずにはいられない。

キリカ「今日は・・・話しただけ?」

ユーリ「ん?」

キリカ「ジンと行ったんでしょ?合コンに・・・。」

ユーリ「!?・・・もう絶対行かない!ジンさんがキリカのためだって言うから、僕は・・・。」

キリカ「!!?・・・。」

その言葉だけで、嫉妬心が安堵に変わる。私は彼が話すのを制すようにキスした。

ユーリ「!?・・・。」

キリカ「ユーリ、好きだよ。」

ユーリ「!!・・・。」

すると、いきなりユーリ君は私の身体を抱きかかえた。お姫様抱っこされてるみたい・・・というか、されてる・・・!?あまりにも突然のことで言葉が出ない。

ユーリ「続きはベッドでしよう?」

キリカ「!!・・・。」

恥ずかしくて、目をつぶりながら何度も頷くと、額にキスされた。突然どうしたの、ユーリ君・・・!!優しくベッドに寝かされると、彼も流れ込むように横になって、唇も自然と重なる。私も応えるように、彼の髪を撫でる。

ユーリ「はあ、んんっ・・・キリカ・・・!!」

ユーリ君は髪を撫でられると、息苦しそうにしながら夢中でキスをする。この声と仕草に何度理性を奪われたことか・・・。

ユーリ「キリカ・・・。」

気になることが頭をよぎったのか、ユーリ君は急に不安そうに名前を呼ぶ。

キリカ「ん?」

ユーリ「僕は・・・このままでいいと思う?」

キリカ「どうしたの、急に・・・。」

ユーリ「ジンさんに言われたんだ。16になるんだから、夫としてキリカの将来も考えていかないと・・・って。」

キリカ「!?・・・。」

今になってジンが何の心配をしているのか分かった。バルと違い、ルカでは10代後半から20代前半で出産することが多いらしい。さらに、ルカの女性は子供を授かりたいという意識が強いため、ジンは私も例外ではないと思ったのだろう。

キリカ「慌てなくてもいいと思う。」

ユーリ「え!?」

キリカ「私は今のままで十分幸せだし、ユーリの助けが欲しいときはちゃんと言うから。」

ユーリ「!!・・・キリカ!!」

嬉しそうに擦り寄ってくる彼に、私も応えるように髪を撫でた。もう少し・・・このままの関係でもいいかな?

 

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