数日後。年明けにルカへ戻るつもりだったが、もう一人の私から都合がいいタイミングで入れ替わりたいと申し出があった。私たちは、メルとシュウ君の一件で、できるだけ早く戻った方がいいと思っていた節もあり、快諾した。
ルカに戻ると、故郷に帰ってきたような気持ちになる。いつの間にかバルよりもルカが居心地のいい世界になっていたんだ。占術の間にはおばあちゃんかエレナさんがいるのだが、今日はなぜかジンがいた。もしかしたら、おばあちゃんの具合が悪くなったのかも・・・!!私は急いで水晶から出た。
キリカ「ジンただいま!おばあちゃんは!?」
ジン「!?・・・。今日に限っては随分察しがいいんだな、キリカちゃん。」
えっ・・・。
ユーリ「!?・・・どういう意味ですか?」
ジン「・・・・・・・・。昨日、トキ様が永眠された。」
キリカ・ユーリ「!!!?・・・。」
頭が真っ白になって、何も言葉が出なくなる。おばあちゃんが・・・亡くなった・・・?
ユーリ「・・・・・・・。入れ替わりが間に合ってよかったです。」
ジン「そうだな。もう一人のキリカちゃんもお前らには感謝してたぞ。」
ユーリ「もう一人のキリカさんは葬儀に出席しなくていいんですか?」
ジン「今、マイラスの精霊使いはキリカちゃんだし、彼女にも見送ってもらいたいってさ。」
ユーリ「それで、急がれて・・・。」
俯いている私の手をユーリ君が掴んだ。
ユーリ「キリカさん、一緒にトキ様をお見送りに行きましょう。」
キリカ「!?・・・。うん・・・。」
ユーリ君に手を引かれ、そのままついていったが、私の思考は止まったままだった。