04 ガールズトーク

ジンとユーリ君と別れ、ネルさんと二人で早速マイラスへ向かった。お父様(ユーリの父)にも挨拶したかったが、やっぱり貿易に出ているらしい。相変わらず忙しいお人だ。

マイラスへ着くと、小精霊たちが一気に駆け寄ってきた。

風の小精霊「キリカ、おかえりなのねん!!」

緑の小精霊「久しぶりのマイラス、ゆっくりしていくのね!」

キリカ「ありがとう!」

ネル「!?・・・あっ、精霊?」

キリカ「うん。みんな、おかえりって言ってくれてる。」

ネル「キリカちゃんは精霊使いの鏡ね。最初に出会ったときは不安でしかなかったのに、すっかり頼もしくなっちゃって・・・。」

キリカ「えへへっ・・・。」

自分でもびっくりするぐらい成長したと思ってる。いきなりルカに送り込まれ、精霊使いになれと言われてから1年半で、こうも人は変われるんだとも・・・。

小精霊たちと軽く会話を楽しんだ後、お屋敷へ向かった。その途中も、私の顔を覚えている住人たちが声をかけてきてくれる。フレイブリースに移り住んでけっこう経つけど、ルカでの私の故郷はこれからもずっとマイラスなんだと思う。

お屋敷に着くと、エレナさんがいた。エレナさんは私と目が合うと、深くお辞儀した。

キリカ「エレナさん、ただいま!」

エレナ「おかえりなさいませ、キリカ様、ネル様。ユーリ様はご一緒ではないのですか?」

キリカ「ジンと一緒に後から来ると思うよ。」

エレナ「ふふっ!そうなんですね。たまには女同士の方が会話が弾みますものね!」

キリカ「そうなんですよ!」

言われてみれば、ガールズトーク久しぶりかも!楽しい・・・!!

ネル「他の使い手(精霊使い)も屋敷に?」

エレナ「カナメ様とシュウ様は巡礼中です。」

ネル「ふーん・・・。」

キリカ「どうかした?」

ネル「警備が手薄になってないか気になってね。まあ、人の精霊騒動が収束して以来ルカも平和になってきたけど・・・。」

キリカ「・・・・・・・・・。」

ネルさんは、まだアンチルカに脅かされていた頃の意識が根強いようだ。

人の精霊騒動が収束後、私はフレイブリースへ移り住み、引き継ぐ形でカナメさんがマイラスの精霊使いになった。当初、私とカナメさんの二人体制で加護契約を行っていく予定だったが、嬉しいことに精霊使いの素質を持ったシュウ君がマイラスへやってきたのだ。14歳の少々変わった子だが、精霊使いとしてはとても優秀だと、カナメさんはぼやきながら言っていたのを思い出した。今日会えるの、ちょっと楽しみにしてたんだけどなあ・・・。

エレナ「カナメ様にも、シュウ様にも常時2人の護衛がついていらっしゃいます。キリカ様の時のようなことはありませんよ。」

キリカ「ははっ・・・。」

私のときは、最初ジン一人だったからね・・・。生きてるから笑い話にできるけど、九死に一生みたいな場面が何度遭ったことか・・・。

エレナ「キリカ様は、先にトキ様にご挨拶を。ネル様は私が大広間へご案内しますね。」

キリカ「はい!」

エレナさんに促され、私はおばあちゃんのいる自室へ向かった。

 

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