クリスマスパーティーを終え、部屋に戻ったが、ユーリ君は終始ご機嫌だった。すっかりバルの誕生日を気に入ったみたいだ。
キリカ「最高の誕生日になったね!」
ユーリ「うん!・・・でも、誕生日はこれから!」
キリカ「えっ!?」
彼は手を引いて、ベッドルームまで連れていく。そして、部屋の扉を閉めると同時にキスした。
キリカ「!?・・・。」
ユーリ「はぁ・・・やっと二人きりになれた・・・。」
キリカ「!!・・・。」
あんなに豪勢に祝ってもらっても、ユーリ君が本当に祝ってもらいたかった相手は私で・・・。可愛い・・・。自然と手が伸びて、彼の唇を引き寄せる。
ユーリ「!?・・・んはっ!はぁ・・・。」
キリカ「!!・・・。」
ユーリ君の声に高まる気持ちが抑えられなくなっていく。メルとシュウ君が戻ってくるまでならいいかな・・・?
ユーリ「キリカ・・・!!」
彼に強く抱きしめられると同時に、遠くでドアの音がした。メルとシュウ君が帰って来たんだ・・・!!なんてタイミング悪いんだろう・・・。しかし、ユーリ君は抱きしめる手を緩めようとはしなかった。絶対、聞こえてるよね!?
キリカ「ユーリ・・・後にしよう?メルたち、間違えてこっちの部屋に来ちゃうかもしれないし・・・。」
ユーリ「!!・・・。後ってどのくらい?」
キリカ「うーん・・・。」
ユーリ「キリカは優しいから、メルさんたちを放っておけないんだろうけど・・・でも、今日は僕の誕生日・・・バルでは僕が生まれてきたことをお祝いする日なんだって、教えてくれたよね!?なのに・・・今日のキリカはメルさんたちのことばっかり!!ワタリさんとハルキさんの指示は終わったんだから、もっと一緒にいたいと思ってくれてもいいでしょ!?」
キリカ「!!・・・。」
不安が溢れかえったように一気に言われ、たじろぐ。ユーリ君にメルとシュウ君がいるからやめようと言っても通じない・・・自分の誕生日を特別な日にしたい気持ちが強いのだ。
キリカ「一緒にいたいとは思ってるよ。でも、今日は・・・!!」
ユーリ「嫌だ!!」
キリカ「!!?・・・。」
ユーリ君は私を抱きかかえたまま、ベッドに押し倒した。勢いで、ポケットに入れていた携帯端末が絨毯の上に落ちる。
ユーリ「今日は我が儘なんでも聞いてくれるって約束したよね?」
キリカ「!!・・・。」
我が儘をなんでも聞くと言った覚えはないのだが・・・彼の目はいつになくキラキラしていた。私は、こうなってしまったユーリ君に弱い。ズルいと分かってても、甘やかさずにはいられないんだ。