23 独占欲

クリスマスパーティーを終え、部屋に戻ったが、ユーリ君は終始ご機嫌だった。すっかりバルの誕生日を気に入ったみたいだ。

キリカ「最高の誕生日になったね!」

ユーリ「うん!・・・でも、誕生日はこれから!」

キリカ「えっ!?」

彼は手を引いて、ベッドルームまで連れていく。そして、部屋の扉を閉めると同時にキスした。

キリカ「!?・・・。」

ユーリ「はぁ・・・やっと二人きりになれた・・・。」

キリカ「!!・・・。」

あんなに豪勢に祝ってもらっても、ユーリ君が本当に祝ってもらいたかった相手は私で・・・。可愛い・・・。自然と手が伸びて、彼の唇を引き寄せる。

ユーリ「!?・・・んはっ!はぁ・・・。」

キリカ「!!・・・。」

ユーリ君の声に高まる気持ちが抑えられなくなっていく。メルとシュウ君が戻ってくるまでならいいかな・・・?

ユーリ「キリカ・・・!!」

彼に強く抱きしめられると同時に、遠くでドアの音がした。メルとシュウ君が帰って来たんだ・・・!!なんてタイミング悪いんだろう・・・。しかし、ユーリ君は抱きしめる手を緩めようとはしなかった。絶対、聞こえてるよね!?

キリカ「ユーリ・・・後にしよう?メルたち、間違えてこっちの部屋に来ちゃうかもしれないし・・・。」

ユーリ「!!・・・。後ってどのくらい?」

キリカ「うーん・・・。」

ユーリ「キリカは優しいから、メルさんたちを放っておけないんだろうけど・・・でも、今日は僕の誕生日・・・バルでは僕が生まれてきたことをお祝いする日なんだって、教えてくれたよね!?なのに・・・今日のキリカはメルさんたちのことばっかり!!ワタリさんとハルキさんの指示は終わったんだから、もっと一緒にいたいと思ってくれてもいいでしょ!?」

キリカ「!!・・・。」

不安が溢れかえったように一気に言われ、たじろぐ。ユーリ君にメルとシュウ君がいるからやめようと言っても通じない・・・自分の誕生日を特別な日にしたい気持ちが強いのだ。

キリカ「一緒にいたいとは思ってるよ。でも、今日は・・・!!」

ユーリ「嫌だ!!」

キリカ「!!?・・・。」

ユーリ君は私を抱きかかえたまま、ベッドに押し倒した。勢いで、ポケットに入れていた携帯端末が絨毯の上に落ちる。

ユーリ「今日は我が儘なんでも聞いてくれるって約束したよね?」

キリカ「!!・・・。」

我が儘をなんでも聞くと言った覚えはないのだが・・・彼の目はいつになくキラキラしていた。私は、こうなってしまったユーリ君に弱い。ズルいと分かってても、甘やかさずにはいられないんだ。

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