前に会った時は可愛い男の子という印象が強かったが、ハルキ君とのやり取りを見ているとがらりと覆される。大人顔負けの冷静沈着な態度・・・神永さんが信頼する気持ちも分かる。話が終わって、御旗君が何とか納得して条件をのむと、神永さんはすごく嬉しかったようで私たちの目の前だと気にせず抱きついた。御旗君は恥ずかしそうにしていたが、愛おしそうに神永さんを見つめていた。一緒にいられる方法が見つかった時の自分たちのことを思い出す。大好きな人と一緒にいられる未来が手に入ったんだ・・・こんなに嬉しいことないよね!
二人が帰った後、ハルキ君に『AIを人間に見せかける技術』が本当にあるのか尋ねた。
ハルキ「半分嘘で、半分本当。」
キリカ「ええっ!?」
ハルキ「とりあえず、彼らを『裏切れない状態』にする必要があったからね。AIだと知ってると脅したところで開発者ならグレーゾーン。逆にこっちが不利だ。」
ユーリ「あの子は、こっちの事情をどこまで把握してるんでしょうか?分かりましたという言葉を素直に受け取りたいですけど、僕にはしたたかな対応に思えました。」
ハルキ「!?・・・。奇遇だね。俺もそう思ったよ。状況が不利だと分かっての判断だろうね。」
ユーリ「!!・・・。」
珍しくユーリ君とハルキ君の意見が一致していて驚いた。ユーリ君は普段は鈍い性格だが、商人として取引には敏感なのだろう。
キリカ「じゃあ、何か仕掛けられる可能性があるってこと?」
ハルキ「当面は様子見だね。でも、AIを人間に見せかける技術があるとまで言ったんだ。頭のいい彼なら、無碍な対応はしてこないと思うよ。」
キリカ「・・・・・・・。」
だといいんだけど・・・。